中川 恵美子 Emiko Nakagawa なかがわ えみこ Instagram Web
東京生まれ 東京育ち ニューヨーク在住
タップダンサー
4歳 子供番組「ワンパーク」のキッズダンサーを見て衝撃を受け、ジャズダンスを始める
6歳 タップダンスを始める
13歳 来日したミシェル・ドランス(Michelle Dorrance)さんのワークショップを受け「タップダンスで世界一になる!」と決意
子供時代週7日でダンスレッスンを続けスキルを磨く
2017年「Kawasaki Tap Festival」優勝
2015-2020 「Legends of Tap」シリーズでメインダンサーを務める
2021年 ニューヨークへ Broadway Dance Center(BDC)留学
2022年 在学中にOutstanding Student Award「優秀学生賞」を受賞
2023年 「The School at Jacob’s Pillow 2023」に出演
Derick K Grant監修「NY Tap Ensemble」にメインメンバーとして出演
Caleb Teicher【Caleb Teicher & Company】に合格
2024年 Michelle Dorranceの率いるカンパニー、【Dorrance Dance】のメンバーとして、『The Joyce Theater』『Vail Dance Festival』に出演
インスタグラムのタップダンス動画がバズる!
しゃけ:
世界で活躍する日本人にインタビュー、NY1page.comに引き続き、「クロスロード 知識で遊ぶ」でもよろしくお願いします!タップダンスで世界で活躍し、Emikoさんと同じような体験をした日本人の方はあまりいらっしゃらないですよね。詳しく教えていただけますか?
Emikoさん:
ありがとうございます。確かに私と同じような体験をした方はいらっしゃらないかもしれません。
私は6歳からタップダンスに興味を持ち、高校生の時に参加したワークショップで、憧れのタップダンサー、ミシェル・ドランス(Michelle Dorrance)さんと会うことができました。
それまでもいつも動画で見ていたのですが、ご本人と話すチャンスがあったので、つたない英語で「大人になったらあなたと一緒に踊りたい」と思いきって話しかけてみました。するとミシェルは「待ってるよ」と笑顔で答えてくれたのです。
ミシェルのタップダンスの技術はもちろんですが、彼女の人間的な素晴らしさにもすっかりやられてしまい、その時から「いつか彼女と一緒に踊る!」というのが私の夢のひとつになりました。
しゃけ:
そして、その夢が叶ったのですよね?
Emikoさん:
はい、そうです!でもニューヨークに来てすぐは、彼女に会えませんでした。ある時ミシェルが、仕事でノースカロライナ州のタップフェスティバルにいるということを知った私は、居ても立ってもいられず、そのフェスティバルに向かうことにしました。直感で、そうしなければいけないと感じたのです。
しゃけ:
お一人で?
Emikoさん:
はい。どうしてもじっとしていられなくて、会えるという保証なんてなかったのに気が付いたら航空券とホテルを予約していました。
しゃけ:
おお!知り合いは誰もいなかったんですよね?
Emikoさん:
そうですね。でも、運よく会場でミシェルと再会することができたのです。彼女は私のことを覚えてくれていて、そしてそこでもやっぱり、信じられないほどあたたかく接していただきました。
私が「あなたと踊りたくて日本から来て、今ニューヨークにいる」こと伝えると、アンダースタディー(代役)をやってみないか?とういうお誘いをくださったのです。
アンダースタディーとは、わかりやすくいうとトレーニング生としてカンパニーに参加するという感じです。日本にはタップダンスだけのカンパニーがまだあまり多くないので、これはアメリカでないとなかなか叶えられない夢でした。
日本のショーというと、舞台設営から、ショー後の片付け、使った板をトラックに積み、板を貸してくださった方のもとにお返しするまでのすべてを指します。演者も裏方としてあらゆる仕事をこなさなければなりません。
でもアメリカでは、会場に入ったら既に舞台が完成されており、演者はグリーンルーム(楽屋)へ直行し、リハーサル、ショーをこなした後は、自分の片付けを終わらせて会場を後にします。
実際にドーランスダンスのショーに出演した時、舞台の準備やセッティングは会場側、衣装の管理はスタイリストさんが行っていました。その他、フィジカルセラピスト(マッサージ師)など、各分野のプロフェッショナルがずらっとそろって演者をサポートしてくださいます。
演者は演技だけに集中し、全員で高いパフォーマンスを目指すことができるのです。
しゃけ:
うわ!すごい!想像を超えますね。各分野のプロが集まる仕事場の雰囲気はピリピリしているのですか?
Emikoさん:
全くそんなことはありません!
ミシェルをはじめ他のメンバーは誰もがすごく明るくて、いつもニコニコしています。さすがに連日ずっと一緒にいたら機嫌の悪い時もあるのでは?と思っていたのですが、そんなことは全くありませんでした。
6時間にも及ぶリハーサルでもずっと、感謝と信頼とリスペクトが溢れているんです。これはタップダンサー特有なのかもしれないのですが、ここには嫌がらせやねたみやいじめは一切ありません。
みんなをまとめるミシェルを中心に、全員が「心地よい場所で最高の仕事をしよう」と励まし合っていました。私にも「何かあったらいつでも聞いてね」「デビューおめでとう!」と声をかけていただき、どれほど心強かったことかわかりません。
意見が違っても穏やかに話し合います。プロフェッショナルな方ほど腰が低く、やさしい。タップダンサーとしてはもちろんですが、一人の人間として尊敬できる方ばかりでした。
しゃけ:
素晴らしい体験ですね。こちらでお写真拝見させていただきました。
Emikoさん:
はい。今年の夏は、長い時間をMichelleと過ごすことができました。その中に、Vail Dance Festivalというフェスティバルでのショーがあったのですが、 そこで、YouTubeで見て憧れていたDorrance Danceの名曲をステージで踊らせていただきました。
この時は・・・抑えきれず、一人になった時に涙があふれてきました。言葉で表現するのは難しいですが、「夢が現実になるってこういうことか」と、胸が熱くなりました。
この時のプロデューサーが、ジュリアードのプレジデント、ダミアン・ウェッエルさんでした。
しゃけ:
おおーー。ニューヨークで生きていくというのはそれだけでもかなり厳しいと思いますが、そこで夢を叶えるって、すごすぎます!
Emikoさん:
人と比べてしまったりして、つらい時もかなりあります。でもまだまだ!なんとしてでもしがみつくという思いで、がんばります!
NY1page.comのインタビューはこちら
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