キューリング恵美子Instagram
埼玉県出身 ドイツ在住25年
著者・バレエ留学コーディネーター・ライフアドバイザー
小2から中2までバレエを習う
高校時代 劇団ひまわりで演劇
女子大卒業後靴のメーカーに就職
2年後旅行会社に転職(8年間バリバリと働く)
英語を習得し外資系の会社でISO(マネージメントシステム)を担当
ドイツ人の旦那様と結婚し、ドイツへ(一男一女の母に)
起業 バレエ留学コーディネーター・ライフアドバイザー(メンタルケア)
50歳 大病を機に良妻賢母から解放
「ドイツ人はなぜ自己肯定感が高いのか」(小学館新書)出版
2冊目出版準備中
しゃけ:
「ドイツ人はなぜ自己肯定感が高いのか」読ませていただきました。人生初の出版をしてみていかがですか?
恵美子さん:
この本を出版したことで自分の自己肯定感がより高くなりましたね(笑)精神科医の樺沢紫苑先生がFacebookで「この本はホームラン本に認定します」と言ってくださったのを聞いた時には涙が出ました。尊敬する日下典子(くさかのりこ)先生は家庭科の授業で私の本を使ってくださって、高校生たちにサウナの話がかなりウケたと言ってくださり本当に嬉しいです。
しゃけ:
ドイツ人は男女一緒に全裸でサウナに入るそうですね。恵美子さんもドイツでは全裸ですか?(笑)
恵美子さん:
私も数回全裸で入りましたが、、落ち着きませんね。無理でした(笑)ノーメイクの話もそうですが、別にお化粧することが良くないと言っているのではなくて、自分が気持ちがいいと思うことを選択することが重要だと言いたいんです。ドイツ人はその点無意識で自分がしたいように、好きなように振る舞っています。他人目線はまず気にしていないのが通常です。誰かの目を気にして、空気を読んだり、気を遣うのではなく、「自分の居心地が良いように」過ごしているのです。このような振る舞いが自己肯定感が高く見えるのです。
しゃけ:
うんうん。自分軸ですね。大病をされた時にドイツのお医者様に「自業自得だ」と言われたのですよね?
恵美子さん:
そうなんです。最初は「え!ひどい!そんな言い方!」と思いましたね。でも「そうか、そうかもしれないな」と考え直しました。「自分のせいで病気になるんですよ」って病院の先生に言われるってショックですよね。でも、だんだん身体の副作用がよくなっていき色々考えていくうちに、ある時に気がづいたんです。病気になったのは、「そう、自分のせいだ」って。自分の食・生活などによりなったのかもしれないと。何より誰のせいでもないのですから。
もともと上に「馬鹿」がつくと言われるほど真面目な性格なので、良妻賢母を目指して一人でがんばっていたんです。今思えば無駄な努力?むしろ害があるっていうくらいの良妻賢母でしたね(笑)
しゃけ:
では、つい最近まで自己肯定感は低かったのですか?
恵美子さん:
はい。真面目にがんばっているんだけどうまくいかないというのかな、ずっと空回りしていたような気がします。母は教師で尊敬していたんですけど、父はものすごく封建的で「女はこうあるべきだ、女はこうしてはいけない」などと押し付けてくる人だったんです。そういう中で育って成人していたので、その時に刷り込まれた押し付けや考え方は、すっかり浸み込んでしまっていたのですね。ドイツで暮らしていてもそれが抜けなくて、誰も何も言わないのに、自分で自分をがんじがらめにしていたんでしょうね。
お酒を飲むと暴力的になっていた父をいつまでも許せない!という気持ちがあったりして、父に対して複雑な気持ちが実はあったのです。本にはこの話は書いていませんけど。でも結果的には父からの影響や父への恐れなどから今の生活が存在しています。良いところも悪いところも、まあ今の幸せにつながったのかもしれないですね・・・長く生きてみるものです。
しゃけ:
うんうん。この本は「ドイツはこういうところです」というだけの本ではなくて、子育て、教育、進路、夢、幸せとはなにかと考えさせられる本でした。
恵美子さん:
わ、そう言っていただけて嬉しいです。23歳の長男と16歳の長女がいて、バレエ留学のコーディネーターの仕事で起業しているので、ドイツでの今までの体験がぎっしり詰まっています。おかげさまで、出版した一か月後に重版が決まりまして、去年は私にとって最高の年になりました。
最初の書籍の出版チームの方たちとの出会いは本当にかけがえのないものです。
しゃけ:
1冊目の本が新書というのは珍しいことだと聞きました。
恵美子さん:
そうなんです。初版の部数を聞いて驚いて「半分にしてください」と言ったら、編集長にそんなことを言ったらダメだと怒られました。売れる、売るとの意気込みで部数を決めているからと。出版のことを何も知らなかったしコネもなかった私の企画書を形にしていただいて、本当に感謝しています。
初めから「新書で」と言われていました。理由は聞かされていません。でもかなりのプレッシャーと嬉しさがこみ上げたのは覚えています。最初は「ドイツ人女性はなぜノーメイクなのか」という題名だったんですよ。でも会議をし「ドイツ人はなぜ自己肯定感が高いのか」に決まりました。小学館の関編集長が「僕が責任を取りますからこれにしましょう」と進めてくださって。今はゆっくりではありますが、2冊目の本のお話と共著での出版の準備中です。
しゃけ:
すごいですね!2冊目も楽しみしています!クラブハウスでもご活躍ですね。
恵美子さん:
ドイツに住んでいながら、日本の著名な方たちとどんどん知り合えるクラブハウスで世界が一気に広がりましたね。日本語で遠く離れた日本の皆さんとこんなに話せる機会は普段はないので、おしゃべりできるだけでもとても幸せなんです。
「ランドセルが教えてくれたこと」の著者、中谷昌文さんとご縁があり仲良くさせて頂き、ある日一緒にルームをやりましょうと意気投合しルームをやっています。
中谷昌文さんは5月2日にまた連続して新刊「なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか」という本を出版されました。
しゃけ:
なぜシリーズ、いいですね!娘さんも共著で本を出されるのですか?
恵美子さん:
そうなんですよ。16歳にしては大人びている娘から学ぶことは多いです。彼女は12歳まではバレエをしていましたが、今はエマワトソンに憧れて日本の芸能事務所に所属しています。語学が得意で、ドイツ語、英語、日本語、スペイン語を話します。ラテン語の読み書きも。
社会的な問題に興味があって、今回本の執筆を手伝いましたけど、「これは過激なのでは?」って母としては少し心配しました。
ドイツ人の友人からの言葉で「思春期はサボテンを抱えているようなものだ」と言われたのですが、まさに思春期真っただ中の子供とのやりとりって難しいですよね。わかりますか?
しゃけ:
わかりますよー!うちにも16歳男子がおりますので!
恵美子さん:
今の時代、女の子だから、男の子だからって言ったら即叱られますよね。どうしたらいいのか(笑)いろいろ親として思うことはありますけど、子供は親の所有物ではないですから子供の領域に入りすぎてはいけないな、と距離感に注意していますね。
しゃけ:
うんうん。私たちの育った時代の常識は今の非常識!(笑)「昭和時代のことを言うのやめて」といつも叱られています。
恵美子さん:
あはは。幸せの形も人それぞれで、周りがとやかく言えるものではないんですよね。私は長い間それに気がつかなくて、人の顔色をうかがったり世間体を気にしたり、家族にまで気を遣っていたような。
子育てについても、良い大学に行かせるのが親の幸せではないな、というのを最近強く感じています。自分で考えることができる自立した大人に。自分で決めて自分の責任は自分で取る。そして人生の最後に子供本人が幸せに過ごせたと思えるように生きてほしいと思っています。
最近の私のお気に入りの言葉、「自分の機嫌は自分で取る」簡単なようで難しいのかな。でもこれが出来ると同じ時間を過ごしても幸せだと感じられることがはるかに多くなりますね。皆さんも時々、この言葉思い出してみてくださいね。
しゃけさん、本日はお話し出来る機会を頂きまして有難うございました。
キューリング恵美子さん×しゃけ音声インタビューはこちらから聞くことができます。